引きこもり家族
以前、四国の自宅の近所に、4人家族(おじさん、おばさん、娘、息子)がいました。
おそらく、その4人家族の住宅も、私の自宅と同じ間取りで、同じ広さだったと思います。
長年住んでいると、2階建ての5LDKで一人暮らししていても、狭く感じていたのですが、一人でも狭いと思う家に4人も住んでいて、凄いなぁと思っていました。
他のご近所さんだと、私と同じで独身の一人暮らしだったり、二人暮らしの人たちくらいで、4人も住んでいたのは、上記の4人家族だけだったと思います。
その4人家族、実は引きこもり家族なんです。
もちろん、厳密にはひきこもりの定義から、外れているでしょう。
3日に一度、朝8時過ぎから9時前の間に、車で出かけますし、一日に何度も出入りが激しい時もあります。
家の前の道が狭かったので、何度も何度も家を出たり、家に戻ったりされて、とても迷惑していました。
たぶん、4人家族が2台の車を共有していたからなんだと思います。
しかし、家族4人の全員、自宅が好きみたいで、遠出したり、旅行したり、家を長く空けるようなことは、一切しなくて、家にいる時間の方が圧倒的に長いのです。
夕方4時には、家族4人が家の中にいて、夕食を毎日、家族4人揃って食べられるなんて、羨ましい限りだと思っていました。
私の父が生きていた時でも、夕食を家族全員で食べたのは、私が子供の頃で、日曜日(昔、土曜日は休みじゃなかった)だけでした。
私が成人してからは、私が不定休でしたから、父が定年退職しても、揃って夕食を食べる機会は、ほとんどありませんでした。
おじさんが、私の母より一歳年下だったので、娘と息子は、普通に考えたら40代、普通に考えなくても、30代、或いは成人なわけです。
娘の方は家事手伝いだと思いますが、一度も就職したことはないみたいだし、息子はスーパーに勤めていたけど、たぶん辞めたのでしょう。
息子がたまに出かける時は、朝10時過ぎで、お昼ごはんは家族全員で食事していないみたいで、おじさんが息子に「カップヌードル買ってきて」と言ってました。
近所には、歩いていける距離にコンビニが数件あり、スーパーも数件ありましたが、わざわざ車を出して、買い物に行って、またすぐ家に戻っていました。
4人家族全員、仕事もせずに、おじさんの年金で生活していて、ほとんど家にひきこもっていて、出かけても、すぐ家に帰ってくる不思議な家族だと思っていました。
四国以外のところに住むと、ごく当たり前に経験することが、四国にいると一生かかっても経験できないことが沢山あって、何も知らないまま、四国で一生終えるのだろうなぁって思うと、心配になります。
しかし、インフルエンザや、新型肺炎の感染が蔓延しないためには、引きこもりが、役に立つ時代になったんだと思いました。
きっと、4人家族は四国で、今日も引きこもっていることでしょう。
感謝
最後まで、読んでいただきまして、ありがとうございます。